うつろいの時をまとう
2022年/ DCP/ 96分/ カラー/ 16:9
監督・編集:三宅流
プロデューサー:藤田功一
エグゼクティブプロデューサー:田野稔
撮影:加藤孝信 三宅流 清井俊樹
整音・音響効果:高木創
音楽:渋谷牧人
製作:グループ現代
出演:堀畑裕之 関口真希子 赤木明登
津村禮次郎 大高翔 ほか
モントリオール国際芸術映画祭 招待上映
ロンドンファッション映画祭 ベストドキュメンタリー賞ノミネート
The Fashion Film Festival MoeKunstiKino(エストニア)招待上映
ベイルート芸術映画祭 招待上映
うつろいの時をまとう公式HP
風景に心をよせる。言葉を見つける。そして、服が生まれる。
見慣れた世界が変わっていく──服飾デザイナーの創作の記録。
日本の美意識をコンセプトに独自のスタイルを発信し続けている服飾ブランド matohu ( まとふ ) 。本作は、デザイナー堀畑裕之と関口真希子の視点や哲学を通して、日常の中に潜む美や豊かさを再発見していくドキュメンタリー。コンクリートの壁のしみ、日が昇る前の早朝に空を見上げた時に見える無数の色のグラデーション、冬枯れの中、ビルの壁や歩道橋の階段に吹き寄せられた色とりどりの落葉たち……matohuは、日常の身近な風景や物に目を向け、そこから得たインスピレーションを“ことば”に変えて服に昇華していく。たった一つの“ことば”を経て、形となって現れた服は、着る者たちの想像力をかきたてる。二人の創作から見えてくるのは、日本人が長い歴史の中で育んできた“ものの見方”であり、普段は見過ごしてしまいがちな美を見つける視点だ。
matohuには「纏う」という意味と、「待とう」という意味が込められている。服を纏うということに対する根源的な問いと、消費のスピードの早い時代に対して時間の熟成を待ちましょうという提案でもある。日本全国に点在する機屋や工房に注目し、資本主義原理の中で維持していくのが困難な職人の手仕事や伝統技術からテキスタイルを作り、真の意味での持続可能性を目指す彼らのものづくりを5年の歳月をかけて丹念に追った。